薄くなったり穴の開いたりしたお気に入りのジーンズをあえて派手な色の糸で繕うワークショップです。
「繕う」というと、繕った跡が見えないようにとか、できるだけもと通りにしないと、と考えてしまいがちです。でもそれは、ものというのは、新品の方が良くて、使っていくうちに悪くなっていく、としかとらえていなかったからです。
もちろんそういうものは、たくさんあります。でも、ジーンズは新品よりも使っていくうちに、生地が馴染みかっこいいものになっていきます。破れるほど履いたということがかっこよく、そのこと隠す必要はありません。繕ってまで履こうと思えるほどのものを持てるのはうれしいこと。だからあえて派手に繕います。
刺し子糸を使用している主な理由は、糸が太く刺したときに色が映えること。綿の糸は色だけでなく、風合いもジーンズと合います。そして、これも綿であるためか針の通り心地がいいです。ワークショップでは現在46色の刺し子糸を用意しています。
履きたいけど、穴があって履けない。そんな、お気に入りのジーンズを持って是非ワークショップにお越しください。色を刺すことで印象がガラッと変わって、お気に入りの一本にさらに愛着が増します。
ジーンズをしっかり見て、どんなふうにジーンズを作っているのか見たり、
どのように繕うか考えます。
繕った見本のジーンズも用意しています。
最初の一針までが意外に長いです。
ポケットの端やベルトループなどの布の端を繕います。
名前の通り毛布の端にも用いられる縫い方です。
破れている場所、薄くなったところに裏からあて布をあて補強します。
あて布用のデニム生地をこちらで用意しています。
刺し子を施します。図案のテンプレートを用意しているので、柄を描き移して縫っていきます。もちろん、好きなデザインで縫ってもOKです。
あて布が取れない程度に縫うと履くことができますが、全体的なデザインを考えて広く縫うとかっこよくできます。
3時間半から1日という長いワークショップですが、あっという間という感想をよくもらいます。ジーンズ全体のデザインを考えて針を進めていくと、もっと縫いたいところが出てきたり、時間内に「完成」という感じになることはあまりありません。家で続きをやったり、履きながらまた縫い進めてもらえたらと思います。
お土産に、ワークショップで使った縫針、糸通しと少しですが好きな色の刺し子糸をお渡しします。
1985年生まれ。京都市立芸術大学美術研究科中退。
ワークショップ進行の主な担当。素材の経年変化を意識した物作りに興味がある。
現在、自宅に作った工房にして帆布と革のリュックサック作りを進めている。
もともとは雑誌・書籍など紙媒体の企画・編集が主な仕事。その後、より大きな意味での「企画と編集」を考え、コンセプト設計を中心に活動中。このワークショップでは、「良い道具を使い惜しまず、どんどん使うこと。いつもどおりの姿を隠さずに見せていくこと」そのかっこよさと心地よさが伝わればいいなと思っています。